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アンチェインドサイレンス
Unchained Silence
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戦場を演出する“超攻撃的”早期警戒管制機
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1. 激化する新兵器開発をめぐる争い
地球連合軍とグランゼーラ革命軍の新兵器開発をめぐる争いは日を増すごとに激化していった。開戦当初は地球連合軍のフォースや波動砲によって劣勢に立たされていたグランゼーラ革命軍も、バルムンクという強力な兵器の開発に成功し、一時は形成を逆転したかのようにも思われた。ただし、地球連合軍がそのまま黙っているわけもなく、すぐに新兵器の開発が進められ、より広範囲の敵を攻撃可能な長距離射程の波動砲を完成させた。グランゼーラ革命軍はこの強力な波動砲に対抗するため、さらに長い射程を持つ新兵器の開発に着手しようとしていた。 そんな中、両軍の間で激化するこの新兵器開発競争に警鐘を鳴らす一人の司令官がいた。 グランゼーラ革命軍きっての戦略家、ハルバー司令官である。 |
2. 敵の兵器を“無効化する”という考え
このハルバー司令官はグランゼーラ革命軍の英雄的存在で、寡兵であった革命軍を今の勢力にしたのは彼の功績だと言われていた。彼はたとえ強力な兵器を作ったところで、敵はまたそれよりも強力な兵器を作るだけであると主張し、敵よりも強力な兵器を作るのではなく、敵の兵器を“無効化する”ことの重要性を軍部に説いた。そしてその具体的な案として、妨害電波を発することで敵の索敵能力を奪い、敵に攻撃をさせないという機能“ジャミング”の研究・開発を提案した。 このジャミングは、妨害電波によって敵軍のレーダー機器に異常をきたすだけでなく、ジャミング範囲内の機体を敵から見えないように隠し、視認による索敵能力をも奪う機能であった。それゆえに、この機能は地球連合軍に対してだけでなく、レーダー機器を持たないバイド軍に対しても有効なものであった。 ハルバー司令官はこの機能の持つ可能性と重要性を軍部に対して強く訴えた。 |
3. 軍部からの冷ややかな反応
しかし、このハルバー司令官の提案に対し、軍部の反応は冷ややかなものであった。地球連合軍の長距離波動砲に対抗するには、より強力で、より広範囲に攻撃することができる新兵器の開発が絶対に必要であり、その開発に費用を投じるべきだという意見が圧倒的大多数を占めた。ハルバー司令官に絶対的信頼を置く軍幹部や彼の部下たちですら、ジャミングの開発には否定的であった。 しかし、ハルバー司令官はそれらの意見に屈することは無かった。 彼は敵の索敵能力を奪うことの重要性を、丁寧に、時間をかけて他のスタッフに説いた。のちに彼の遺した言葉の一つとして語り継がれることとなる、「敵の強力な火力に対抗するものは、必ずしも火力ではない。敵の火力を無効化するということは、むしろそれよりも攻撃的な発想である」という言葉を口ぐせのように語り、プロジェクトチームと軍部を説得することに尽力した。 そして、大多数の懐疑的な意見を半ば強引に振り切るように、彼の提案するジャミングの開発が決定した。 |
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4. そして造り出された、“超攻撃的” 早期警戒管制機
ハルバー司令官が開発初期段階に具体的な仕様を提案したことで、開発はスムーズに進行し、このジャミング機能を搭載した早期警戒管制機“パワード・サイレンス”が実戦に配備されるまでにそう時間はかからなかった。ただし、実戦に配備される段階になってもまだ軍部にはこのジャミングに対して懐疑的な者が多く、初めての実戦配備は半ば実験的なものであった。だが、この戦いにおいて、ジャミングに対する軍部の評価は一転する。 この戦闘において両軍の力は拮抗しており、両軍共に大きな被害が出た戦いであったにも関わらず、パワード・サイレンスが所属した部隊のみが全くの無傷で生還したのである。その戦闘に参戦し、ジャミングをはじめて体験したパイロットの一人は、彼の航海日誌にこう記している。 「実戦で体験して、はじめてその「怖さ」がわかった。もしも敵軍がこの機能を備えていたらと想像しただけでゾッとする」
軍部でもすぐにこのジャミングが持つ可能性に注目が集まり、さらに性能を向上させた機体が開発されることとなった。のちに“戦場の演出家”と呼ばれ、多くの戦場で地球連合軍を震え上がらせることとなる、“アンチェインドサイレンス”の誕生である。このアンチェインドサイレンスは従来よりも広い範囲をジャミングによって未索敵状態にすることを可能とした。やがてジャミング機能が持つ可能性を最大限に体現した、グランゼーラ革命軍を代表する機体として名を馳せることとなっていった。 惜しむらくは、おそらくこのアンチェインドサイレンスの誕生を誰よりも心待ちにしていたハルバー司令官が、実際の戦場でその雄姿を目にすることができなかったことである。 ハルバー司令官が提案した、敵の兵器を“無効化する”という考え。 そして誕生した攻撃的な情報戦術“ジャミング”。 彼の想いを乗せて、アンチェインドサイレンスは今日もまた戦場へと出かけていく。 |
戦場ジャーナリスト ケヴィン・モレール
- 年齢:29歳
- 出身地:北半球の都市ノートニー
- 「自分の目で見たもの以外は何も信じない、多分すべて嘘だから」という極端な信念を胸に戦場を駆け回るジャーナリスト。他人など絶対に信頼しないと嘯くが、情に厚く、涙もろい。趣味は各国の田舎巡り。ジャパンで食べた「ソバメシ」の味が忘れられない。
ハルバー司令官が開発初期段階に具体的な仕様を提案したことで、開発はスムーズに進行し、このジャミング機能を搭載した早期警戒管制機“パワード・サイレンス”が実戦に配備されるまでにそう時間はかからなかった。ただし、実戦に配備される段階になってもまだ軍部にはこのジャミングに対して懐疑的な者が多く、初めての実戦配備は半ば実験的なものであった。
軍部でもすぐにこのジャミングが持つ可能性に注目が集まり、さらに性能を向上させた機体が開発されることとなった。のちに“戦場の演出家”と呼ばれ、多くの戦場で地球連合軍を震え上がらせることとなる、“アンチェインドサイレンス”の誕生である。